*** BL好きのひとりごと ***
BLのあれこれを語ります
小説 「花の慟哭」 夜光花
2009.10.29 (Thu)
![]() | 花の慟哭 (竹書房ラヴァーズ文庫) (2009/09/26) 夜光 花高橋 悠 商品詳細を見る |
【あらすじ】
「君のいない人生がどれだけつらいか、頭がおかしくなりそうなこの気持ちが、君にはわかる?」特異体質のせいで、幼い頃から研究所で隔離されて育ってきた巴は、その研究所を破壊しにやってきた「組織」の須王に助け出される。しかし、巴の存在は、その組織内でも混乱を招くものだった。組織の者に陥れられ、須王と引き裂かれた巴は、ある医者に再び監禁されてしまう。巴を救えなかった事を激しく後悔する須王と、須王のもとに戻りたいと願う巴。強く惹き合う二人の運命は、嵐のように膨れ上がり―
「花の残像」の続きになっています。
前回、巴が行方不明で終わっているので続きも続き、これを読まないと……って言う感じです。
同じく閉じこめられ、実験されるかわいそうな巴が前作と被ります。
前作のはじめは須王の存在を知らないで居たのでそれなりでしたが、今回は何となく感じていてさらに寂しさが募る。
獣人の掟も絡まりストーリーはけっこうハードな展開へ。
まだこの二人を読んでいたいし、他のメンバーも気になる。
このシリーズは続けて欲しいと思いました。
前回同様切ない展開に涙しながら……
満足度 : ★★★★★
小説 「花の残像」 夜光花
2009.10.28 (Wed)
![]() | 花の残像 (ラヴァーズ文庫) (2009/05/25) 夜光花 商品詳細を見る |
【あらすじ】
生まれつき特異体質である巴は、離れ小島の研究所で、隔離されて育ってきた。身体を調べられ、毎日怯えながら生活しているのだ。しかしある日、その研究所が破壊され、侵入して来た男、須王と出会う。優雅で柔らかな物腰でいて、荒々しい獣のように周りを攻撃する須王に、巴は有無を言わさず連れ去られてしまう。巴が魅了されるほど甘く、それでいて危険な香りのする須王の目的とは…?貴重な「餌」を巡り、獣達のゲームが始まる。
シリーズのそのまたスピンオフ作品
「花の慟哭」といっしょにお読みください。
私は二冊同時に買って読んだからいいのですが、これを待たされた人はちょっといらいらしたかも(笑)
獣人シリーズと言いましょうか、他シリーズ通して「獣人」と言うものが出てきます。
人と獣のハーフと言うことで、人にはない力があります。
けれどその反面特殊な「餌」が必要。
それを補うのが巴の持っている力。
巴はその力のせいで辛く寂しい人生で……
とても切ない話しです。
「人間」と「化学(医療)」の残酷さ。
やはり思うのですが人間は神の領域に手を伸ばしてはいけないと思います。
それによって生じる悲劇もたくさんある気がします。
そして世の中には「不思議」な出来事や「モノ」があるのもまた事実のような気がします。
BLとはいえ、いろいろなことを考えながら……
満足度 : ★★★★★
小説 「君といたい明日もいたい」
2009.10.28 (Wed)
![]() | 君といたい明日もいたい (角川ルビー文庫) (2009/10/01) 沙野 風結子 商品詳細を見る |
【あらすじ】
唯一の家族である父を水没事故で亡くした大学生の恵多。そのショックから部分的な記憶を失い、水たまりを見ると時々、身体が動かなくなる発作を起こしていた。そんな恵多を優しく見守る、叔父の章介の愛情を恵多は嬉しく感じていたが、ある時、それが全て父の会社を乗っ取る策略であると知る。詰る恵多の口を封じるかのように、静かな激情を漂わせ、無理やり身体を嬲る章介。いけないと思いながら身も心も焼き尽くす、強い快感に支配され…。叔父×甥の禁忌愛
沙野さんにしてはストーリー展開が(設定が?)おとなしめかもしれません。
とんでもない話しだぞ!って感じではないです。
一番の問題は叔父と甥だと言うことくらいで。
そこに受の記憶障害(事故絡み)と会社乗っ取りが絡みます。
最近では珍しい話しではなく、まぁテンプレのうちかもしれません。
しっとりと、おとなしめの感じで、少々ラブサスペンスという感じで、先の読める展開ではありますが、沙野さんのエロは健在でそちらも楽しめます。
沙野さんの作品のファンなら読んで良し。
突拍子もない設定やちょっと怖いキャラが苦手だったという人には、ほぼ日常展開の切ない話しとしてお奨めです。
満足度 : ★★★★★
小説 「獣となりても 」 剛 しいら
2009.10.25 (Sun)
![]() | 獣となりても (リンクスロマンス) (2009/06) 剛 しいら 商品詳細を見る |
【あらすじ】
天使のような美貌とは裏腹に、恐ろしいまでに権力への野望を抱くイリア。皇太子を籠絡したイリアは、死者を蘇らせて創った禁断の兵器・人獣の強大な力を利用して軍部を掌握し、隣国への侵攻を推し進めた。戦いの最中、敵国の皇子である羽秀を手に入れ、人獣として蘇らせるが、獣に堕ちたはずの彼はなぜか自我を失わない。なおも崇高な魂を感じさせる羽秀を服従させるため、イリアはその強靭な肉体を鞭打ち、歪んだ欲望のまま己の快楽に奉仕させるが…
久しぶりの剛さんです(笑)
BLに入った頃はそりゃぁ数え切れないほど読ませていただきました。
いったい何冊著書があるんだろう?
量産作家という意味では右に出るものはいないですよね。
尊敬します。
けれど飽きてしまいここ数年はほとんど読んだ記憶がないです。
今回久しぶりに読もうと思ったのはリンクスから出てたということが大きいかな。
私にはこのレーベルが結構趣味に合っていて、好きな話が多いことと、ファンタジーはどちらかというと苦手なんだけど、それ以上にあらすじに惹かれたという点です。
剛さんの作品で久しぶりに切なくさせてもらいました。
最初から登場のイリアが愛を知るのはずいぶん後で、その分BLの王道から外れるのかもしれませんがすごく好きなお話でした。
最初、イリアの相手は誰だよ?と思ってしまいました(笑)
瑛蓮の方のカップルもそれなりに描かれていたので、ページ数が足りないくらいでしたね。
二段組みにするか、前後編にしてもう少し掘り下げてもいいかなと、もう少し読みたいと思うほどいい出来でした。
瑛蓮たちのその後はいつか読めるでしょうか?
期待を込めて─────
満足度 : ★★★★★
小説 「春の泥」 水原とほる
2009.10.25 (Sun)
![]() | 春の泥 (キャラ文庫) (2009/08/27) 水原とほる 商品詳細を見る |
【あらすじ】
医大志望で将来を嘱望される弟と、受験に失敗して以来くすぶり続ける自分。両親不在の春休み、大学生の和貴は、窮屈な家を出て自立する計画を立てていた。けれどその夜、二歳下の弟・朋貴に監禁され犯されてしまう!この飢えた獣の目をした男が弟…!?「ずっと兄貴だけが欲しかった」優等生の仮面を剥いだ弟の、狂気の愛に絡め取られるとき―住み慣れた家が妄執の檻に変わる
なんとなく……ですね。
途中で重くなって読みたくなくなりました@読みましたが。
もともと弟が兄に……って言う展開があまり得意ではない上に、その弟がめちゃめちゃ重い←体重じゃないですよ(笑)
重すぎてさすがに消化不良というか食傷気味。
最後まで(兄が)逃げればいいじゃんと思ってしまった私は読者失格ですorz
まだ兄が執着するなら許せるんだけどなぁ?
この辺のさじ加減は自分でもわかりません^^;
当て馬に出てきた社長さんの方がずっと好き。
この方の話もあるのかなぁ?と思いつつ、次回作に期待
満足度 : ★★★☆☆
コミック 「さようなら、と君は手を振った」
2009.10.25 (Sun)
![]() | さようなら、と君は手を振った (プラザCOMIX Hollyセレクション) (プラザコミックス) (2009/09/19) 木原 音瀬 商品詳細を見る |
【あらすじ】
従兄弟の氷見啓介が田舎から上京してきた。なし崩しの面倒を見ることになった誠一は、アパート探しを手伝いながらも、実は
気まずい思いだった。十年前の夏、啓介に心酔した誠一は、「高校を卒業したら迎えにくる」と約束したまま、戻らなかったのだ。
相変わらずのダサいメガネ、髪形、服装にうんざりしつつも、誠一は再び欲望のままに啓介を抱くようになる。しかし啓介は優しく
受けとめるだけで…。
コミックですが原作は以前読んだ木原さん原作。
ちなみにこのコミックもergoで読んでいました。
読めば読むほど凄い作品だなぁと思います@原作
そのなかで今回のこのコミックで原作の中間の地点のオリジナルがあったことで、空白だった数年の何気ない二人とその二人の恋愛の末に心ならずも翻弄されてしまった啓介の息子の日常を知ることができます。
これは原作ファンにとっても美味しい書きおろしだったのではないでしょうか。
私は新装版の原作ではなく、旧版で読んだもので挿絵の印象が淡い感じだったのですが(正直ちょっと印象がぼやけていました)
今回のコミックで誠一と啓介の印象が凄くはっきりしました。
原作ファンとしてもとてもお得な気がした一冊でした。
原作の新装版の書きおろしもありましたし、ぜひ貴之の方もコミックで書いて欲しいです。
満足度 : ★★★★★
小説 「涙の中を歩いてる」 水原とほる
2009.10.18 (Sun)
![]() | 涙の中を歩いてる (ガッシュ文庫) (2009/09/28) 水原 とほる 商品詳細を見る |
【あらすじ】
大学生の有也はある日ゲイバーで、以前病院で出会った優しい研修医の高林と再会する。しかし当時憧れていた高林は、実はサディスティックな男らしい。恋人ができるなら、高林のような人がいい―。ずっとそう思っていた有也は、高林に一晩の相手に誘われて抱かれてしまう。酷くされても、我慢すれば本気で好きになってくれるかもしれない。有也を覚えていないことは分かってるけれど、当時の優しさを忘れられず…。
思い出したのは「夏陰」でした。
思えばあのデビュー作を読んで水原とほるという人にはまって、早6年……
しかし年々、テーマが緩くなってきてるなぁ……とつい先日書いたばかりと思うのですが、これは中々でした。
やはりSM絡みでしたが、受けにその気がないのは同じような感じで、でも好きなんですよね。
今回はその気持ちが顕著で、好きだからどんなことでも我慢したいと思う。
それって自然な感情だと思う。
けれど反面、じゃ何で好きなの?とも思うわけ。
読みながら今更に「好きになる」って複雑な感情なんだなぁと思い。
人間てなんて面倒なんだと思い、だからこそ芸術や文化なんてものが発達するのよねぇと感心する(笑)
自分は相当我慢して努力しているのに、相手を満足させられないっていうコンプレックスがわかりすぎて久しぶりに水原さんの作品で泣けました。
好きな気持ちと嗜好って全然関係ないようでいて、密接でどうにもならない物のひとつなんだなぁって。
ジレンマ─────ってまさにそういうことです。
満足度 : ★★★★★
小説 「宵闇の契り」 和泉桂
2009.10.15 (Thu)
![]() | 宵闇の契り―桃華異聞 (幻冬舎ルチル文庫) (2008/12/11) 和泉 桂 商品詳細を見る |
【あらすじ】
色里・桃華郷に美貌の兄と共に売られてきた莉英は、容姿の見苦しさを嫌われ下男として働いていたが、兄が亡くなったのを機に店を追い出されてしまう。途方に暮れる莉英を助けたのは、窯子の用心棒・大我だった。莉英の外見を気にせず、純真な心を褒
めてくれる大我に手ほどきを受けながら、やがて美しい売れっ子男妓に成長した莉英だったが…
前回読んだシリーズが気になったので他のを読むことに……
この作品は私のツボにはまりドンピシャでした♪
こういう作品に会えるとうれしい。
このシリーズは遊廓ものの王道からちょっとだけ外れ気味なのがまたうれしい。
普通は嫌々売られてくるものが多い中(いきなり生活が一変しちゃうとか)
この話のキャラたちは自分から飛び込んだものが多いのも特徴。
勿論事情はそれぞれだけど、受け身的ではなく自分から決意して入ってきたものが多く(少なくとも読んだ二冊はそうだった)悲壮感よりはある意味前向きな感じ。
勿論売られてくるからにはいい人生なんかであろうはずもなく、不幸がつきまとうのだけれど構成が新鮮でいい!
今回のキャラも異色で、醜い受けが綺麗になっていくのも面白いし、大我という味方が思い人ではあるけれど恋人ではない立ち位置でずっと側にいるのも興味深い。
受けを仕込むのはこの攻めで、受けが男妓になる協力をし、出世していく様を端で見守るという設定も中々面白かった。
受けがツンデレというよりは、なかなかの気性でとにかく強い。
容姿にコンプレックスがある反面、反骨精神が旺盛で遊廓ものだけにそれがなおさら好ましい。
ただ受け流される受けも儚げで好きだけど、これだけ強くありながら時の流れや運命にあらがえずに哀しい生き方をするのも私には「萌え」
後半は人としての尊厳や誇りに感情移入しつつ涙しながら……
満足度 : ★★★★★
小説 「宵月の惑い」 和泉桂
2009.10.14 (Wed)
![]() | 宵月の惑い―桃華異聞 (幻冬舎ルチル文庫) (2009/06/16) 和泉 桂 商品詳細を見る |
義兄への秘めた恋に疲れた雨彩夏は、桃華郷で男妓・聚星に抱いてもらい癒されていた。しかし聚星は男妓を辞め旅立ってしまった。再び訪れた桃華郷で、瑛簫という男妓を水揚げすることになった彩夏。瑛簫は元僧侶で、寺の借金のため、自ら桃華郷に来たという。瑛簫に抱かれるうち、男妓としてではなく瑛簫自身に惹かれていく彩夏だったが…。
あらすじに惹かれて買いました。
和泉さんは作家買いにはちょっと危険な作家さんで(笑)@当社比
「清澗寺」は文句なかったのですが、微妙に外れることも多いので無条件に買うというわけにはいかないです
このお話を買ったらシリーズものでした^^;
でもどこから読んでも大丈夫。
定番ものの遊郭でしたが、ちょっと変わっていました。
受けが遊廓通いをするもので、そのうちに水揚げを頼まれるのも定番ですが、普通は受けが水揚げされるものです
その攻めを水揚げという珍しさがなかなかです。
またこの攻めが何というか自分から遊廓に売られてきたという……しかも寺から
その設定の奇抜さに押されて読みました。
私にとっては設定読みです
とにかく先が読めないものが好みなので、びっくり箱は多いほど好きです
とりあえずキャラがよかったので、他キャラのものも読むことにしました。
この作品単独の評価としては、まずまずと言うことで
満足度 : ★★★★☆
小説 「スリープ」 砂原糖子
2009.10.13 (Tue)
![]() | スリープ (新書館ディアプラス文庫) (2009/09/10) 砂原 糖子 商品詳細を見る |
う〜ん、どうもなぁ……
ネタはかなりハードだと思うんですけど、読み終わった全体がライトな感覚なのはどうしてだろう?
この作者さんは人気があると思うのですが、どうも私には合わないみたいです。
勧めてくださった方もいるんですが、読んだものがどうにも軽く感じてダメです。
テーマやあらすじは中々いいと思うこともあるのですが、
たとえば今回は眠る男と眠れない男。
ナルコレプシーと言えば以前榎田さんの「眠る探偵」というシリーズがありましたが、あちらの方が辛さというか深刻さが伝わってきました。
不眠症というのも私にとっては魅力的な?スパイスなんですが、こちらもいまいち……
学園ものという設定がいけないのか?
私の中で学園ものというと、それだけでのほほんとしているイメージなのは救いようがないです。
とにかくさらっと読みたい方にはお奨めです
満足度 : ★★☆☆☆
小説 「龍の初恋、Dr.の受諾」 樹生かなめ
2009.08.23 (Sun)
![]() | 龍の初恋、Dr.の受諾 (講談社X文庫―ホワイトハート) (2009/08/05) 樹生 かなめ 商品詳細を見る |
加筆修正、再版バージョン。
旧版から読んで持ってはいるものの、やはり買ってしまいました。
もうずいぶん長いこと読んでいるけど、初心に返って出会い編を読み面白かったです。
先生は天然過ぎて現実離れしているけれど
そこがかなぁ……癖になる感じ(笑)
周りのキャラも続編が進むごとに魅力的でなかなかです。
小説 「狂おしい夜を止めて」 杏野朝水
2009.08.16 (Sun)
![]() | 狂おしい夜を止めて (二見シャレード文庫) (2009/07/23) 杏野 朝水 商品詳細を見る |
【ネタバレあり】
元同級生カップルがが周りにばれて別れる、しかも相手にはそのことを告げずに自分だけが責めを負う→そして再会……と言うのはありがちなパターン。
そこにちょっと違うスパイスがあるのは、甥を育てている受け。
その亡くなった母親(姉)は唯一その当時自分を理解してくれていた大切な存在だったこと。
その姉も不倫の末に未婚で子供を産んで、誰にも理解されない恋愛をしていたこと。
脇にはその姉の不倫相手も登場(恋愛には関係なし)と、ちょっとしたスパイスも加わって切ない話でした。
一方的に別れて再会というパターンは、攻めが受けを憎んだまま再会というのも多い気がするのですが、未だに納得はしていないものの、この攻めは一歩的に受けを憎むような場面はほとんどなくそこも好感がありました(憎しみの感情もそれはそれで萌えるのですが)
育てている甥っ子もただまマセているのではなく、大人で思慮深い好感のあるキャラです。
姉の相手もしかり。
こうやって書くといい人揃いで……と思いますが、受けが学生の時に周りから非難によって受けた傷は相当深く、生きる意味を失いかけたまま送る生活にそれ以上の追い打ちがないことに安堵しました。
長編好きの私としてはもうちょっと深く掘り下げてくれても良かったのですが、あっと言う間に読んだという意味では良かったのかも知れません。
過去の恋愛に傷つき、そして幸せになった二人と思いやりのある姉とその息子に拍手!
小説 「A・KI・RA〜路地裏の迷い猫〜」 中原一也
2009.08.16 (Sun)
![]() | A・KI・RA~路地裏の迷い猫~ (プリズム文庫) (2009/07/23) 中原一也 商品詳細を見る |
拾った子猫が不幸で同情のあげくに……と言うのはよくある話しと思いますが、大概の受けというのは淋しさをわかっていながら淋しくないフリをするパターンが多いと思うのです。
強がりというか、それがプライドだったりする。
それがこの明良は淋しいことさえ感じていない、わかっていなかったりする。
ついでに「ウリ」の何が悪いのかさえまったくわからない。
生い立ちが生い立ちなだけに、確かに生きていく為には最低限必要なものがあり、それを手に入れて何が悪い……と言われればたいていの大人は黙るしかないでしょう。
それが駄目なら盗むか死ぬしかない。
この攻めの葛城もしかり。
だから彼を連れて帰り、自分の手元で養うしかその答えがなかったのです。
そして葛城は思う、悪いのは明良ではなく周りの大人でありこの国(政治)であると。
葛城はフリーターで世の矛盾と戦っている男なのでなおさらそう思うのでしょう。
ちょっと現実に帰っても、豊かだと言われるこの国で幸せだという子供達が何割いるのでしょうね。
忙しい両親や身勝手な大人に振り回される子供達がずいぶん居ると思います。
総中流家庭と言われながら、実は生活に困っている子供達だって多いはず。
葛城でなくともちょっと考えてしまったのでした。
前半の話は無自覚な明良が哀れではありましたが、無自覚なだけに本人に悲壮さがありませんでした。
後半、葛城のアパートに住み着いた明良はそこの個性的な住人達にも可愛がられて幸せだったのですが、そこにライバル出現。
なんと葛城の甥@10歳の少年。
このチビッコに猛烈にヤキモチを焼く明良。
それは現実を実感して地に足が付いたからこそなのですが、「幸せ」を感じ取った後はそれをなくしたくないと必死になってしまう。
そこはもう16歳の明良が10歳児のレベルになってしまって本気でやり合ってしまう。
これを浅はかとか、愚かとは言えないものが漂います。
見ようによっては幼稚園児並みの対抗意識が哀れさを誘って泣けました。
やはり子供は子供らしく育って、順当に大人の階段を上がって欲しいとつくづく思ってします。
「愛とバクダン」を彷彿とさせましたが、中原さんはこういうお話が上手いと思いました。
ドラマCD 「美しいこと」 原作:木原音瀬
2009.08.16 (Sun)
![]() | 美しいこと (2009/03/25) イメージ・アルバム鈴木達央 商品詳細を見る |
ほとんどが読んでから聞く、の私ですがCDの方は時間制限などもあるので小説とは違うもの、として一応考えています。
小説を先に読むのはあらすじが入っていた方がすんなり声だけでも理解できるから……と言う程度の理由。
毎回声優さん達の熱演に思っていた世界観と違ったとしても十分に楽しめます。
BLCDを聞くようになってからアニメなどでしか意識しなかった声優さんたちが本当に凄いなぁ……と思うようになったのでした。
鈴木達夫さんは失礼ながらあまり今まで意識したことなかった声優さんでしたが、松岡がはまっていましたね〜〜
素敵でした。
杉田さんはいつもメインでなくとも印象に残る人で、とくにフリートークで昔から面白い人だなぁ……と本編ではないところで感心させられる不思議な人です。
木原作品はどっちもどっちのキャラ達が多いと思うんですよ。
この作品でも松岡だってどうかと思うよ……みたいな場面が結構あった。
そこら辺を声優さん達が微妙な空気というか、キャラの立場というか、絶品の演技だと思います。
台本が分厚かったとフリートークでも叫んでいましたが、お疲れ様でした。
素晴らしい演技だったと拍手を送りたいと思います。
小説 「主治医の采配」 水無月さらら
2009.08.07 (Fri)
![]() | 主治医の采配 (キャラ文庫) (2009/07/23) 水無月さらら 商品詳細を見る |
あと一歩なのに
な〜んか、すごく残念な気がする。
なんだろうなぁ。
アラブものの多い中、砂漠に連れ去られたらそこで幸せに〜〜が大半の作品が多いのに、礼一郎は必死に逃げ帰ります。
彼の王子様は他に居たって事なんですけど(そのときは本人も知らなかったけど)
連れ去られて、その間のことがトラウマにって言うのはなかなかいい設定だと思ったんですよ。
最初に書いたとおり逆にあまりない設定だし、それが逃げてトラウマならそりゃすごいトラウマだし。
傷ついても立ち直れなくても当然。
そこから救うお医者様とのラブは萌えるはずだったんですが……
なんかちょっと違う。
半分くらいは過去のモノローグでもいいので、礼一郎の心の傷をもっと具体的に覗きたかった。
大変なことを経験したので傷つきました……ではなくて、あのときこれをされてそのときにこんな傷つき方をしましたと言うのかな、ひょっとしたらページ数足り無くなっちゃうんだろうか?
でもそこが大事な気がするんです。
だからなかなか立ち直れなくて、彼を救う人が必要なんです、みたいな。
足の方も心理的なものではないと言うことで、心の動きと足の回復は別問題。
そうなると心の回復のバロメーターがなんかインパクト不足。
自殺願望もなんだかあやふやで、夢の中に居るみたいな受けからは悲壮感が半減しちゃっていて残念。
加えて攻めなのだから晴隆にはもうちょっと礼一郎に対して必死になる姿が欲しかった。
もっと傷ついている受けとそれを見て苦しむ攻めの構図がちょっと甘かった気がするんです。
なんかすべてがさらっとしてしまっている感じ。
せっかくのいい題材?がずらーっと揃っているのに、生かし切れていない。
この設定なら間違いなく泣ける素材だったのに、乾いたままでした。
すごく残念。
小説 「炎の蜃気楼 邂逅編/真皓き残響/夜叉誕生」
2009.08.06 (Thu)
![]() | 真皓き残響 夜叉誕生〈下〉―炎の蜃気楼(ミラージュ)邂逅編 (コバルト文庫) (2001/04) 桑原 水菜 商品詳細を見る |
戦とか戦争ってなんなのだろう?って強く思うんですよ、これを読んでいると。
現代版の方はあからさまに霊との戦いって感じだったので、SFものっぽくあまり戦いに感情移入が少なかったのですが、こちらの方はまさに現在進行形で語られるので辛いです。
勝っても負けても地獄って言葉をなにかの話のセリフで読んだことがありましたが、戦争ってまさにそうですよね。
霊退治するのがすごく過酷です。
しかも当の本人がまさにその怨霊なので。
怨霊になるのも仕方ないな、と思ってしまったらあとは哀しいと思うばかりです。
それは他の名もない怨霊もそうだし、残された、生きている人たちも同じです。
戦国武将の格好いい活躍ばかりが普通は目立ちますが、惨殺や殺戮はもちろん、この時代にあった兵糧攻め……水も食べ物もなくなる毎日ってどんなだっただろうと、読むたびに苦しくなります。
そりゃ化けて出てもおかしくはない。
無念は名もない人にだってあります。
それを退治するのは正義であったとしても、なんだかとても理不尽。
現代版(本編)よりも、記憶が生々しいこの時代の話にはまた違った世界観があります。
小説 「炎の蜃気楼 邂逅編/真皓き残響/夜叉誕生 〈上〉」
2009.08.05 (Wed)
![]() | 真皓き残響 夜叉誕生〈上〉―炎の蜃気楼(ミラージュ)邂逅編 (コバルト文庫) (2001/04) 桑原 水菜 商品詳細を見る |
これってボーイズでいいのか?
いいんだよね……と思いながら書いてます。
現代版の方はたぶんボーイズだし、その前世〈とは言わないか〉みたいなものだからBLのくくりで。
本編の方も全部読みましたが、歴史好きだし、SFチック(オカルトチック?)な本編よりも、歴史小説に近いこちらの方が私は好きです。
本編があるからこそのこの原点だとは思いますが、本来ならあまり陽の当たらぬ景虎という武将を丁寧に描いた作者さんに拍手ですね。
本編から遡って、作者さんが書く前に思い描いた設定がこれで明かされるって言う意味でもあると思うんですよ。
それを思うと、主役が景虎だったことや、その相手が本来なら敵方の武将であったこと、しかも有名人というよりは戦国の武将としては早い段階で死んでしまった人間を配置したこととか、作者さんの意図が想像できて面白いです。
これから先の長い年月、愛し合うと言うよりは憎む時間も続くこの主従の始まりの一歩です。
やはり直江よりは景虎の無念を強く感じて共感してしまいます。
戦国武将としてあまり意識していなかった景勝を私はこれで嫌いになっちゃったのです(笑)
以来好きでない武将なので、今年の大河は脱落しました(笑)
初読みは'99発行のソフトカバーなのでもう10年くらいになるのですね。
歴史小説に好きなものがまた一冊増えたシリーズです。
コミック 「恋について」 大竹とも/原作:木原音瀬
2009.07.24 (Fri)
![]() | 恋について (プラザCOMIX Hollyシリーズ) (プラザコミックス) (2009/06/20) 大竹 とも 商品詳細を見る |
恋愛とはタチが悪いもの
木原ファンなので原作既読済み。
そして木原さんらしいウジウジ暗いキャラ(笑)
木原カラーになれていたために読み流していたのですが、コミック読んで気付いたことが。
笹川がなんなのっ?って言うキャラなのは承知だったのですが、朝霞もなんだか考えると酷い男のような?
一見笹川が朝霞を振り回しているように感じていたんだけど、無自覚?な朝霞はタチが悪いのかも?
まぁ鈍いというか、自分で踏み込んで置いて「そう言うつもりではなかった」と言うパターンはよくあるのかも知れないですね。
恋愛においては悪人も善人もないのかも知れません。
そこがまた深いのかぁ……と、木原マジックにはまったのでした。
大竹さんの笹川はイメージにぴったりでした。
小説 「逃亡者×追跡者」 矢城米花
2009.07.24 (Fri)
![]() | 逃亡者×追跡者 (二見シャレード文庫) (2009/03/23) 矢城 米花 商品詳細を見る |
異星人みたいだけどみんな地球人
変わった設定が好きな作家さんですよね。
全部読んだわけではありませんが、数冊読んでみるとSFチックというか触手ものファンタジー?系が多いような気もしますが、目先が変わるように設定に工夫をしているようには感じます。
そうはいってもおそらく触手系が好きな作家さんなので(後は陵辱系かな?)好みは別れると思います。
私はそこそこエッチで変わった設定が読みたいときにこの作家さんの本を読みます。
私の中では「深刻にならずに変わった設定エッチ」のジャンルに入れています(笑)
今回は初めて宇宙もの、はっきりとしたSFものといった感じでした。
映画「トータル・リコール」を思い出しちゃいました(笑)
今回は特に虫とか変なもの?がたくさん出るのであくまで変わったものが読みたい方にお勧め。
思ったよりは気持ち悪くはなかったですよ。
小説 「吸血鬼と愉快な仲間たち 2」 木原音瀬
2009.07.24 (Fri)
![]() | 吸血鬼と愉快な仲間たち Vol.2 (Holly NOVELS) (2007/10/11) 木原 音瀬 商品詳細を見る |
面白い作品だとつくづく思います。
なぜこういう話を書こうと思ったんだろう……木原さん。
なかなか恋愛に進まない、でも読んでいるこっちは何となく切なくなる。
気持ちがかみ合っていない二人なのに、いずれ絶対にうまくいくと思ってしまう。
面白くて笑ってしまうシーンが結構あるし、全然恋愛じゃないじゃん!とか思いながらなぜか必ず泣けてしまう。
どうもアルの「さみしい」に弱い。
ストレートに「さみしさ」が伝わってきて、その寂しさに同化してしまう。
言葉が通じない、自分だけ命の重さが違う、両親がいるのにもう二度とわかり合えない。
この先、生きれば生きるほど淋しいことがたくさんありすぎるアル。
暁とうまくいけばいいなぁ〜と応援すればするほど、でも二人の行く先は?と思ってまた切なくなるのです。
まだカップルにもなっていないのに。
コウモリに愛着が出る不思議な作品。
























